「〜してしまっていた・〜するつもりだった」-mıştı・-(y)ecekti
この課でできるようになること: 「(そのときはもう)電車は出てしまっていた」「(そのときは)行くつもりだった」のように、過去のある時点を基準にして、それより前のこと・その時点から見た未来のことを言えるようになります。
まず日本語で考える
日本語には「した」「していた」「してしまっていた」のように、過去の中にも段階があります。「駅に着いたとき、電車はもう出てしまっていた」という文を考えてみましょう。「電車が出た」のは「駅に着いた」よりもさらに前の出来事です。この「過去から見てさらに前の過去」を専用の形で表すのが、この課の大過去 -mIştIです。もう一つ、「そのときは来るつもりだった(実際に来たかどうかは分からない/結局そうならなかった)」のように、過去のある時点から見た「これから」を表す過去未来 -(y)EcEktIもあわせて学びます。どちらも、すでに知っている形に「〜だった」にあたる idi(それ自体は独立した単語としては使わず、いつも他の形にくっつく)が縮まってくっついた複合の形です。
ルール
① 大過去 -mIştI: 21課の伝聞過去 -mIş(〜したらしい)に、18課の -DI 由来の -tI をさらに重ねる。gel → gelmiş → gelmişti(来てしまっていた)。
② -mIştI は「よそから聞いた話」ではなく、「基準となる過去の時点よりも前にすでに終わっていたこと」を表す。ここが -mIş 単独(伝聞・気づき)との使い方の違い。
③ 過去未来 -(y)EcEktI: 19課の未来 -(y)AcAk に、同じ -tI を重ねる。gel → gelecek → gelecekti(来るはずだった/来る予定だった)。
④ どちらも4型の母音そろえルール(母音調和)がそのまま働く: -mIş の部分は ı/i/u/ü、続く -tI も同じグループの ı/i/u/ü になる(gel→mişti、bak→mıştı、oku→muştu、gör→müştü)。t は常に t のままで、d に変わることはない。
⑤ 人称のパーツ(人称接尾辞)は必要なら -tI のさらに後ろに付ける: gelmiştim(私は来てしまっていた)、gelecektim(私は来るはずだった)。
⑥ 否定は、もとの -mIş・-(y)AcAk の前に -mA を入れてから -tI を続ける: gelmemişti(来ていなかった)、gitmeyecekti(行かないはずだった)。
活用パターン表
| 語幹 | 母音グループ | 大過去 -mIştI | 過去未来 -(y)EcEktI |
|---|
| gel(来る) | 前舌・非円唇 | gelmişti | gelecekti |
| bak(見る) | 後舌・非円唇 | bakmıştı | bakacaktı |
| oku(読む) | 後舌・円唇 | okumuştu | okuyacaktı |
| gör(見る) | 前舌・円唇 | görmüştü | görecekti |
| gel + 私(-im) | — | gelmiştim | gelecektim |
例文
- Ben gara vardığımda tren çoktan kalkmıştı.(私が駅に着いたとき、電車はとっくに出てしまっていた)← 26課の -DIğI(名詞を説明する形)+ 大過去
- Onu aradığımda telefonunu kapatmıştı.(彼〈女〉に電話したとき、もう電源を切ってしまっていた)
- Biz gelmeden önce yemek bitmişti.(私たちが来る前に、食事はもう終わってしまっていた)← 31課の -mAdAn önce の復習
- Daha önce İstanbul'a hiç gitmemiştim.(それまで一度もイスタンブールに行ったことがなかった)← 否定+大過去で「経験がなかった」
- Kapıyı kilitlemiş miydin?(君はドアに鍵をかけてしまっていた?)← 疑問はmI+大過去
- Yarın sana yardım edecektim ama hastalandım.(明日君を手伝うつもりだったけど、病気になった)
- O gün İzmir'e taşınacaktık.(あの日、私たちはイズミルに引っ越すはずだった)
- Toplantı saat 3'te başlayacaktı, ama ertelendi.(会議は3時に始まるはずだったが、延期された)
- Ona söyleyecektim, unuttum.(彼〈女〉に言うつもりだったのに、忘れてしまった)
- Param olsaydı o evi alacaktım.(お金があったら、あの家を買うつもりだったのに)← 36課の -sAydI と過去未来の組み合わせ
- Sınava girmeden önce çok çalışmıştı.(試験を受ける前、彼〈女〉はたくさん勉強していた)
- Uçak kalkmıştı, biz de geç kalmıştık.(飛行機はもう出てしまっていて、私たちも遅刻していた)
ミニ会話
- A: Toplantıya neden gelmedin?(なんで会議に来なかったの?)
- B: Gelecektim ama arabam bozuldu.(行くつもりだったんだけど、車が壊れたんだ)
- A: Ali'ye haber verdin mi?(アリには知らせた?)
- B: Vermiştim, ama telefonunu açmamış.(知らせておいたんだけど、彼は電話に出なかったみたい)
つまずきポイント
- × -mIş(伝聞過去)と -mIştI(大過去)を同じ意味だと思う → ○ -mIş 単独は「よそから聞いた・気づいた」、-mIştI は「基準の過去よりさらに前に終わっていた」。tI が付くかどうかで役割が変わる。
- × gelmişti を「来たらしかった」と訳す → ○「(そのときはもう)来てしまっていた」。基準となる過去の時点がある点に注意。
- × 過去未来 -(y)EcEktI を「〜する予定です」と訳す → ○ idi(だった)が付くので必ず過去の話。「〜するはずだった(が、実現したかは分からない/しなかった)」というニュアンス。
- × bakecekti・bakmişti のように調和を無視する → ○ bak の a は後舌グループなので bakacaktı・bakmıştı(点なしの ı)。
- × Ona söyleyecektim を「彼に言います」と訳す → ○ tI が付いているので必ず過去。「言うつもりだった(が言わなかった)」という意味。
3行まとめ
- 大過去 -mIştI =「基準の過去よりさらに前に終わっていたこと」。伝聞の -mIş 単独とは役割が違う。
- 過去未来 -(y)EcEktI =「(そのときは)〜するはずだった」。実現したかどうかは分からない、または結局しなかったニュアンスを含む。
- どちらも既習の形(-mIş・-(y)AcAk)に、idi 由来の -tI を重ねるだけ。母音そろえルールはそのまま適用される。