「〜させる形」(使役態)
この課でできるようになること: 「読ませる」「笑わせる」のように、だれかに何かをさせる言い方ができるようになります。さらに、「だれに」「何を」させるのかを正しい格(「〜を」か「〜に」か)で言い分けられるようになります。
まず日本語で考える
日本語では「読む→読ませる」「笑う→笑わせる」と、動詞に「(さ)せる」を付ければ必ず「させる」の意味になります。トルコ語も同じ発想で、動詞の後ろにパーツ(接尾辞)を付けて作ります。ただしパーツは1種類ではなく、動詞ごとに -t / -Ir / -It / -DIr のどれが付くかが決まっています。ここが日本語との違いです。もう1つの違いは、「だれにやらせるか」を示す格(「〜を」か「〜に」か)が、もとの動詞の性質によって変わることです。
ルール
① 「〜させる」と言いたい動詞を決める。
② その動詞に決まったパーツ(-t / -Ir / -It / -DIr のどれか)を付ける。どれが付くかは動詞ごとに固定なので、辞書で確認して単語ごと覚える。
③ 「だれにやらせるか」の格は、もとの動詞に目的語(「〜を」の部分)があるかで決まる。
・自動詞(目的語なし。例: gülmek 笑う、ağlamak 泣く、uyumak 眠る)→ させられる人は「〜を」の形(対格)。Çocuğu güldürdü.(子供を笑わせた)
・他動詞(すでに「〜を」がある。例: okumak 読む、yazmak 書く)→ 「〜を」は元の目的語が使うので、させられる人は「〜に」の形(与格)。Öğrencilere kitap okuttu.(生徒たちに本を読ませた)
④ 使役形にも、時制・人称のパーツ(-DI、-Iyor、-(y)AcAk など)はふつうの動詞と同じように付けられる。okuttu(読ませた)、okutuyor(読ませている)、okutacak(読ませるだろう)。
活用パターン表
「〜させる形」のパーツは動詞ごとに決まっていて規則性が低いため、代表例を単語ごと覚えましょう。
| もとの動詞 | 「〜させる形」 | 型 | 自動詞/他動詞 |
|---|
| oku(読む) | okutmak(読ませる/教える) | -t 型 | 他動詞 |
| gül(笑う) | güldürmek(笑わせる) | -DIr 型 | 自動詞 |
| kork(怖がる) | korkutmak(怖がらせる) | -It 型 | 自動詞 |
| iç(飲む) | içirmek(飲ませる) | -Ir 型 | 他動詞 |
| ağla(泣く) | ağlatmak(泣かせる) | -t 型 | 自動詞 |
| yaz(書く) | yazdırmak(書かせる) | -DIr 型 | 他動詞 |
| uyu(眠る) | uyutmak(寝かしつける) | -t 型 | 自動詞 |
| koş(走る) | koşturmak(走らせる/せかす) | -DIr 型 | 自動詞 |
| bit(終わる) | bitirmek(終わらせる) | -Ir 型 | 自動詞 |
yazdırmak が -dır なのは、直前の z がにごる音で t もにごり d になるためです。koşturmak が -tur なのは、直前の ş がにごらない音(無声子音)なので t のままだからです。
例文
- Öğretmen öğrencilere kitap okuttu.(先生は生徒たちに本を読ませた)← öğrenci + ler + e「生徒たちに」(okumak は他動詞なので「〜に」の形)
- Çocuğu güldürdü.(彼は子供を笑わせた)← çocuk + u「子供を」(gülmek は自動詞なので「〜を」の形)
- Anneme mektup yazdırdım.(母に手紙を書かせた=書いてもらった)← anne + m + e「私の母に」(yazmak は他動詞なので「〜に」の形)
- Beni korkuttun!(びっくりした!=君は私を怖がらせた)← ben + i「私を」(korkmak は自動詞なので「〜を」の形)
- Çocuğa su içirdim.(子供に水を飲ませた)← çocuk + a「子供に」(içmek は他動詞なので「〜に」の形)
- Anne bebeği uyuttu.(母親は赤ちゃんを寝かしつけた)← bebek + i「赤ちゃんを」(uyumak は自動詞なので「〜を」の形)
- Antrenör sporcuları koşturdu.(コーチは選手たちを走らせた)
- Öğretmen ödevi bugün bitirdi mi?(先生は今日、宿題を終わらせましたか?)※bitirmek は「終える」という意味でもよく使う
- Doktor hastayı güldürmeye çalıştı.(医者は患者を笑わせようとした)
- Kızımı bu okulda okutacağım.(娘をこの学校に通わせるつもりだ)
- Kızını çok ağlattı.(彼は娘をひどく泣かせた)
- Bu haber beni şaşırttı.(このニュースは私を驚かせた)← şaşırmak(驚く、自動詞)+t
ミニ会話
- A: Neden bu kadar yorgunsun?(どうしてそんなに疲れているの?)
- B: Patronum bana bütün raporları yazdırdı.(上司が私に全部のレポートを書かせたんだ)
- A: Zor olmuş. Peki çocuğu kim güldürdü?(それは大変だったね。ところで子供を笑わせたのは誰?)
- B: Babası onu güldürdü, çok komikti.(お父さんが彼を笑わせたよ、すごく面白かった)
- A: Peki bebek uyudu mu?(ところで赤ちゃんは眠ったの?)
- B: Evet, onu ben uyuttum.(うん、私が寝かしつけたよ)
つまずきポイント
- × どの動詞にも -DIr を付ける → ○ 型は動詞ごとに違う。oku は okutmak(-t 型)。
- × Annem mektup yazdırdım → ○ Anneme mektup yazdırdım。「だれにやらせるか」には「〜に」の形が必要(yazmak は他動詞)。
- × Çocuğa güldürdü(自動詞なのに「〜に」の形にしてしまう) → ○ Çocuğu güldürdü。gülmek は自動詞なので「〜を」の形。
- × okutmak=「読ませる」だけと覚える → ○「(先生が生徒に読ませる→)教える」の意味でもよく使う。
- × bitirmek を受身と混同する → ○ bitirmek は「(自分が)終わらせる」という能動の使役形。「終わらせられる」は別の形(受身+使役)。
3行まとめ
- 「〜させる形」は動詞にパーツ -t / -Ir / -It / -DIr を付けて作る。どのパーツが付くかは動詞ごとに決まっている。
- 自動詞(目的語なし)の使役は「〜を」の形。他動詞(目的語あり)の使役は「〜に」の形。
- 使役形にも、時制・人称のパーツは普通の動詞と同じように付けられる(okuttu, okutuyor, okutacak)。