「〜を」の形 -(y)ı(対格)
この課でできるようになること: 「その本を読んでいます」のように「〜を」にあたる形が作れる。付けるとき・付けないときの区別、子音が変わる単語のパターンもわかる。
まず日本語で考える
日本語の「本【を】読む」の「を」。トルコ語ではこれを、名詞の後ろに付くパーツ -(y)I(「〜を」の形)で表します。母音は4型ルールでそろえます。母音で終わる単語には、母音同士がぶつからないように、つなぎの音 y を挟みます。ここまでは今までの課の組み合わせだけです。
新しいポイントは1つ。日本語の「を」と違って、トルコ語ではこのパーツを「その本」「あの車」のように特定できるものにだけ付けます。前の課で学んだ bu(これ)/ şu(それ)/ o(あれ)のような指示詞が付く名詞は、まさに「特定できるもの」の代表例なので、この課ではセットで練習します。
ルール
①目的語が特定のもの(その〜、あの〜、話し手も聞き手もどれのことかわかるもの)かを考える
②特定なら、4型ルールで -ı / -i / -u / -ü を付ける(母音終わりの単語には y を挟む)
③特定でない(一般的な話)なら、何も付けずそのまま
④単語が p, ç, t, k で終わる2音節以上の単語は、母音で始まるパーツの前で最後の子音が変わることがある(p→b, ç→c, k→ğ など。詳しくは「音が濁るルール」の課で学ぶ音の変化の一部)
英語にたとえると、付ける=the が付く感覚、付けない=a が付く感覚に近いです。
活用パターン表
| 単語 | 最後の母音 | 判定 | 「〜を」の形 | 備考 |
|---|
| ev(家) | e | 前・丸めない→i | evi | そのまま |
| araba(車) | a | 後ろ・丸めない→ı | arabayı | 母音終わり→y を挟む |
| göz(目) | ö | 前・丸める→ü | gözü | そのまま |
| okul(学校) | u | 後ろ・丸める→u | okulu | そのまま |
| kitap(本) | a | 後ろ・丸めない→ı | kitabı | p→b に変わる |
| çocuk(子供) | u | 後ろ・丸める→u | çocuğu | k→ğ に変わる |
| ne(何) | e | 前・丸めない→i | neyi | 母音終わり→y を挟む |
例文
- Kitabı okuyorum.(その本を読んでいます)← 特定の1冊
- Kitap okuyorum.(本を読んでいます=読書をしています)← 一般的な行為なので付けない
- Arabayı görüyorum.(その車が見えます)← araba は母音終わりなので y を挟む
- Evi seviyorum.(この家が好きです)
- Çayı seviyorum.(そのお茶が気に入っています)← çay の a → ı
- İstanbul'u seviyorum.(イスタンブルが大好きです)← 地名にはアポストロフィ(')で区切って付ける
- Öğretmeni görüyorum.(あの先生が見えます)
- Okulu seviyorum.(その学校が好きです)
- Çocuğu görüyorum.(その子供が見えます)← çocuk は k → ğ に変わる
- Bu kitabı okuyorum.(この本を読んでいます)← bu(これ)+名詞+対格の組み合わせ
- Şu arabayı görüyorum.(あの車が見えます)
- O öğretmeni seviyorum.(あの先生が好きです)
- Hangi kitabı?(どの本を?)← 疑問詞 hangi の後ろにも対格が付く
- Neyi?(何を?)← ne+yi。相手の話を受けて「何を?」と聞き返すときによく使う
ミニ会話
※会話には後の課で学ぶ形も出てきます。今は意味がつかめればOKです。
- A: Kitap okuyorum.(本を読んでいます)
- B: Hangi kitabı?(どの本を?)
- A: Bu kitabı.(この本を)
- B: Bu kitabı biliyorum, çok güzel!(この本知ってる、すごくいいよ!)
- A: Evet, çok seviyorum.(うん、大好き)
- B: Ben de!(私も!)
つまずきポイント
- × Kitapı okuyorum → ○ Kitabı okuyorum : kitap のように p, ç, t, k で終わる単語は、パーツが付くと最後の子音が変わる(p → b)。詳しくは「音が濁るルール」の課で学ぶので、今は「kitap は kitabı になる」とだけ覚えればOK。
- × Arabaı görüyorum → ○ Arabayı görüyorum : 母音で終わる単語には、つなぎの y を忘れない。
- × Evı seviyorum → ○ Evi seviyorum : ev の e は前グループ → i。点なし ı ではない。
- × çocuku görüyorum → ○ Çocuğu görüyorum : çocuk の k も p と同じ仲間の子音で、母音の前で ğ に変わる。kitap(p→b)と同じ発想。
- × 「これ・それ・あれ」の後ろの名詞にも「〜を」の形を付け忘れる → ○ Bu kitabı okuyorum. のように、bu/şu/o が付く名詞はほぼ必ず「特定のもの」なので、この形を付ける。
3行まとめ
- 「〜を」は名詞の後ろの -(y)I で表す。母音は4型、母音終わりの単語には y を挟む。
- 付けるのは特定のものだけ。一般的な話なら何も付けない(Kitap okuyorum.)。bu/şu/o が付く名詞はほぼ常に特定なので、この形を付ける。
- kitap → kitabı、çocuk → çocuğu のような最後の子音の変化は、「音が濁るルール」の課で詳しく学ぶ。