「お互いにし合う形」と「自分に向かう形」(相互態・再帰態)
この課でできるようになること: 「会う(=お互いに見合う)」「着替える(=自分に着せる)」のような動詞のなりたちが分かり、正しく使えるようになります。
まず日本語で考える
日本語には「見つめ合う」「連絡し合う」の「〜合う」があります。トルコ語では動詞の後ろにパーツ(接尾辞)-Iş を付けると「お互いに〜し合う形」(相互態)になります。また「体を洗う」「着替える」のように動作が自分自身に向かうときは、パーツ -In を付けます(「自分に向かう形」・再帰態)。どちらも、もとの動詞に新しい意味を1つ足すパーツで、できあがった動詞はまるごと1つの単語として辞書に載っています。日常会話では「(また)会おうね」「準備しなきゃ」のような決まり文句としてもよく登場するので、形の作り方だけでなく、よく使う組み合わせを単語ごと覚えましょう。
ルール
① 「お互いに」の意味を足すなら -Iş。子音で終わる動詞にはそのまま -Iş(gör→görüş)、母音で終わる動詞には ş だけを足す(selamla→selamlaş)。
② 「自分自身に」の意味を足すなら -In。子音で終わる動詞にはそのまま -In(sar→sarın)、母音で終わる動詞には n だけを足す(yıka→yıkan)。
③ できあがった動詞は1つの単語として辞書に載っている。「この動詞はこの形でこの意味」と、単語ごと覚えるのがいちばん実用的。
④ 同じ -ış / -iş の形でも、動詞のまま使えば「し合う形」、名詞化(動名詞、-mak/-ma/-ış の課で学習)すれば別の意味の名詞になるので、文の中での役割で見分ける。
| もとの動詞 | 新しい動詞 | 意味 |
|---|
| gör(見る) | görüşmek | 会う(直訳: お互いに見合う) |
| selamla(挨拶する) | selamlaşmak | 挨拶を交わす |
| yıka(洗う) | yıkanmak | 自分を洗う=入浴する |
| giy(着る) | giyinmek | 身支度をする・服を着る |
| hazırla(準備する) | hazırlanmak | 自分の準備をする |
konuş(話す)は、「言葉を交わし合う」という相互の意味がもとから単語に含まれている動詞です。
活用パターン表
語末が子音か母音かで、パーツの付き方が変わります。
| 語末のタイプ | 相互形(-Iş) | 再帰形(-In) |
|---|
| 子音で終わる | yaz→yazışmak(文通する) | sar→sarınmak(自分を包む) |
| 子音で終わる | it→itişmek(押し合う) | sür→sürünmek(自分に塗る) |
| 母音で終わる | selamla→selamlaşmak | yıka→yıkanmak |
| 母音で終わる | kucakla→kucaklaşmak(抱き合う) | hazırla→hazırlanmak |
例文
- Yarın görüşürüz.(明日会いましょう)← gör + üş + ür + üz
- Yarın havaalanında görüşürüz.(明日空港で会いましょう)
- Sabah yıkanıyorum, sonra giyiniyorum.(朝、体を洗って、それから着替えます)
- Okulda selamlaşıyoruz.(学校で挨拶を交わします)
- Sabah hazırlanıyorum.(朝、支度をしています)
- Onlar iyi anlaşıyor.(あの二人はよく理解し合っている〈気が合う〉)
- Otobüste herkes itişiyordu.(バスの中でみんなが押し合っていた)
- Yeni komşularla henüz tanışmadık.(新しいご近所さんとはまだ知り合っていません)
- Yüzüme güneş kremi sürüyorum.(顔に日焼け止めを塗っています)
- Eski dostlar havaalanında kucaklaştı.(旧友たちは空港で抱き合った)
- Mektup arkadaşımla yıllarca yazıştık.(文通友達と何年も文通しました)
- Küçük kardeşim tek başına giyinebiliyor artık.(妹〈弟〉はもう一人で着替えられます)
ミニ会話
- A: Sen ve Ayşe nasıl tanıştınız?(あなたとアイシェはどうやって知り合ったの?)
- B: Üniversitede tanıştık.(大学で知り合ったんだ)
- A: Hâlâ sık görüşüyor musunuz?(今もよく会ってるの?)
- B: Evet, her hafta sonu görüşürüz.(うん、毎週末会ってるよ)
- A: Peki kavga ettiğinizde ne yapıyorsunuz?(じゃあ、けんかしたときはどうするの?)
- B: Hemen konuşup anlaşıyoruz.(すぐに話し合って理解し合うんだ)
- A: Güzelmiş. Ben de sabah hazırlanmalıyım, geç kaldım!(いいね。私も朝の支度をしなきゃ、遅れちゃう!)
- B: Görüşürüz o zaman!(じゃあ、またね!)
つまずきポイント
- × 30課の「動詞を名詞にする形」-ış と混同する → ○ 形は同じでも働きが別。görüşmek のように -mek が続いて動詞のままなら、この課の「し合う形」。
- × yıkamak と yıkanmak を同じ意味で使う → ○ yıkamak は「(何かを)洗う」、yıkanmak は「自分を洗う」。Arabayı yıkadım.(車を洗った)/ Yıkandım.(入浴した)。
- × görüşürüz を「私たちは見ます」と直訳する → ○「(お互いに)会いましょう」。別れ際の決まり文句。
- × 母音で終わる動詞にも I を挟んで -Iş / -In を付けてしまう(selamlaışmak のような形) → ○ 母音で終わる動詞には子音だけを足す(selamlaş, yıkan)。挟むのは子音で終わる動詞のときだけ。
- × tanışmak・anlaşmak のように、すでに1つの単語として定着している相互動詞をもとの動詞(tanımak・anlamak)と同じ意味だと思い込む → ○ 派生後は意味が少しずれることが多い。単語ごと覚えるのが確実。
3行まとめ
- -Iş =「お互いにし合う形」(görüşmek=会う、tanışmak=知り合う)。
- -In =「自分に向かう形」(yıkanmak=入浴する、sarınmak=自分を包む)。
- 子音で終わる動詞にはそのまま、母音で終わる動詞には子音だけを足す。できあがった動詞は単語ごと覚えるのが近道。