名詞+名詞の複合語(Türk kahvesi型)
この課でできるようになること: 「トルコ風コーヒー」「りんごジュース」のように、名詞を2つ並べて1つのまとまった呼び名(複合語)を作れるようになる。12課の「AのB」の言い方(「〜の」の形、属格)と後ろの単語の形はそっくりだが、意味はまったく違う。この違いも見分けられるようになる。
まず日本語で考える
日本語にも「りんご+ジュース→りんごジュース」「学生+証→学生証」のように、名詞を2つ並べて1つの言葉のように使う言い方があります。この「りんごジュース」は「りんごの持ち主のジュース」という意味ではなく、「りんごから作られた種類のジュース」です。トルコ語にもこれとそっくりの仕組みがあります。Türk kahvesi(トルコ風コーヒー)のように、名詞を2つ並べて1つの呼び名(複合語)を作ります。ややこしいのは、12課で学んだ「AのB」(「〜の」の形)と、後ろの単語の形がまったく同じに見える点です。この課では、どこで見分けるのかをはっきりさせます。
ルール
①前の名詞(A)には何も印を付けない。12課で学んだ「〜の」の形 -(n)In はここでは使わない。
②後ろの名詞(B)には、12課と同じ「彼/彼女の」を示す所有の印 -(s)I を付ける(4型の母音そろえルールで決まる)。
③意味は「AというタイプのB」「A用のB」「Aから作ったB」のような、1つのまとまった名前・種類を表す。「だれの持ち物か」という所有の話ではない。
④12課の「AのB」(Aにも -(n)In が付く形)は「特定のAが持っているB」という所有の話。見分け方はAに -(n)In が付いているかどうかの1点だけ。
活用パターン表
| A(前の名詞) | B(後ろの名詞) | 意味 |
|---|
| 種類を表す複合語(この課) | 印なし | -(s)I(彼の、の印) | Aの種類・用途のB(Türk kahvesi=トルコ風コーヒー) |
| 「〜の」の形の「AのB」(12課) | -(n)In(〜の、の印) | -(s)I(彼の、の印) | 特定のAが持っているB(öğrencinin kitabı=その学生の本) |
後ろの名詞(B)に付く -(s)I は12課の所有のパーツ(所有接尾辞)の3人称と同じ形です。子音で終わる語には母音だけ(4型)、母音で終わる語には緩衝子音sを挟んだ -sI が付きます。
| 前の名詞(A) | 後ろの名詞(B) | 複合語 | 意味 |
|---|
| Türk(トルコ) | kahve(コーヒー) | Türk kahvesi | トルコ風コーヒー |
| elma(りんご) | su(水→ジュース) | elma suyu | りんごジュース |
| çocuk(子供) | oda(部屋) | çocuk odası | 子供部屋 |
| kapı(ドア) | kol(取っ手) | kapı kolu | ドアの取っ手 |
| otobüs(バス) | durak(停留所) | otobüs durağı | バス停 |
| öğrenci(学生) | kart(カード) | öğrenci kartı | 学生証 |
例文
- Türk kahvesi çok güzel.(トルコ風コーヒーはとても美味しい)
- Elma suyu içiyorum.(りんごジュースを飲んでいます)
- Çocuk odası küçük ama sıcak.(子供部屋は小さいけれど暖かい)
- Kapı kolu kırık.(ドアの取っ手が壊れている)
- Otobüs durağı nerede?(バス停はどこですか)
- Öğrenci kartım var.(私は学生証を持っています)← kart+ım(私の、の印)が付いて「私の学生証」に
- Bu bir İngilizce kitabı.(これは英語の本です)← İngilizce(英語)+ kitap
- Portakal suyu daha mı iyi?(オレンジジュースの方がいいですか)
- Deniz kenarında bir balık lokantası var.(海辺に魚料理のレストランがある)
- Türkiye'de çay kültürü çok güçlü.(トルコではお茶の文化がとても強い)
- Diş fırçası nerede?(歯ブラシはどこですか)← diş(歯)+ fırça(ブラシ)
- Ders kitabını unuttum.(教科書を忘れてしまった)← ders kitabı(教科書)+ nı(それを、の印)
- Bu, öğrencinin kitabı değil, bir öğrenci kitabı.(これはその学生の本ではなく、学生向けの本だ)← 「〜の」の形との対比
ミニ会話
※会話には後の課で学ぶ形も出てきます。今は意味がつかめればOKです。
- A: Bir Türk kahvesi alabilir miyim?(トルコ風コーヒーを1杯もらえますか)
- B: Tabii, şekerli mi olsun?(もちろん、お砂糖入りにしますか)
- A: Az şekerli olsun, lütfen.(お砂糖は少なめでお願いします)
- B: Tamam, hemen geliyor.(わかりました、すぐお持ちします)
つまずきポイント
- ×Türk'ün kahvesi(のつもりでTürk kahvesiと言うべきところに12課の「〜の」の形を使ってしまう)→ ○Türk kahvesi。「トルコという国が持っているコーヒー」ではなく「トルコ風という種類のコーヒー」なので、Aには何も付けない。
- ×kapı kol(Bの印を忘れる)→ ○kapı kolu。後ろの名詞には必ず -(s)I が付く。「両方印なし」にはならない。
- ×öğrenci kartı と öğrencinin kartı を同じ意味だと思う → ○öğrenci kartı は「学生証という種類のカード」、öğrencinin kartı は「その学生が持っている(特定の)カード」。
- ×elma suyu の su を「水」とだけ訳す → ○ここでの su は「ジュース・果汁」の意味。elma suyu=りんごジュース、portakal suyu=オレンジジュース。
- ×複合語のBの印を、12課の所有のパーツと別物だと思ってしまう → ○形はまったく同じ -(s)I。違うのはAに -(n)In が付くかどうかだけ。
3行まとめ
- 名詞+名詞の複合語は、前の名詞(A)に印なし・後ろの名詞(B)に -(s)I(彼の、の印)。
- 意味は「Aという種類・用途のB」。特定の持ち主を言う12課の「AのB」(-(n)In 付き)とは違う。
- 見分け方はAに -(n)In が付くかどうかの1点だけ。付けば「特定の持ち主」、付かなければ「種類・複合語」。