第25課 / 32課 B2
接続法の応用(avant que/pour que)
接続法の応用(avant que/pour que)
この課でできるようになること: 「〜する前に」「〜するために」「〜しない限り」のように、特定の接続詞のあとで接続法(subjonctif)を使う表現が正しく作れるようになる。B1で習った il faut que に加えて、接続法を要求する場面を広げる。あわせて、書き言葉でよく見る「意味を持たない ne」(ne虚辞)の使い方も整理する。
まず日本語で考える
B1課(接続法現在・入門)では、il faut que(〜する必要がある)や感情・疑いを表す動詞(vouloir que、douter que など)のあとで接続法を使うことを学びました。この課では、それに加えて「特定の接続詞」が接続法を要求するケースを扱います。日本語では「〜する前に」と「〜した後に」の違いを動詞の形では区別しませんが、フランス語では「前に(avant que)」は接続法、「後に(après que)」は直説法、と接続詞ごとにルールが決まっています。理屈で覚えるより「この接続詞の後ろは接続法」とセットで暗記するのが近道です。
ルール
① 接続法を要求する代表的な接続詞。
- avant que(〜する前に)
- pour que / afin que(〜するために)
- bien que / quoique(〜だけれども、B1で既習)
- à moins que(〜しない限り)
- sans que(〜することなしに)
- jusqu'à ce que(〜するまで)
② これらの接続詞のあとの動詞は必ず接続法現在の形にする。作り方の復習: ils の現在形から -ent を除いた語幹 + e/es/e/ent(je/tu/il/ils)、nous/vous は半過去と同じ形。
③ 主語が主節と同じときは que 節を使わず「avant de + 不定詞」に言い換えることが多い(例: avant de partir=出発する前に)。主語が変わるときだけ que+接続法を使う。
④ 不規則な接続法(復習): être→sois/sois/soit/soyons/soyez/soient、avoir→aie/aies/ait/ayons/ayez/aient、aller→aille系、faire→fasse系、pouvoir→puisse系、savoir→sache系、vouloir→veuille系。
⑤ ne虚辞(ne explétif): avant que・à moins que・avoir peur que など一部の表現では、接続法の動詞の前に意味のない neを置くことがある(ne虚辞/explétif と呼ぶ)。この ne は否定を表さず、省略しても文法的には正しい。書き言葉や改まった話し言葉でよく使われる装飾的なもの、と考えればよい。
- Je pars avant qu'il ne soit trop tard. = Je pars avant qu'il soit trop tard.(意味は同じ)
- 本当の否定文(ne...pas)と混同しないこと。ne虚辞には pas が付かない。
活用表(接続法現在・全人称)
| 主語 | parler(規則-er) | finir(規則-ir) | vendre(規則-re) | être(不規則) |
|---|---|---|---|---|
| je (j') | que je parle | que je finisse | que je vende | que je sois |
| tu | que tu parles | que tu finisses | que tu vendes | que tu sois |
| il/elle/on | qu'il parle | qu'il finisse | qu'il vende | qu'il soit |
| nous | que nous parlions | que nous finissions | que nous vendions | que nous soyons |
| vous | que vous parliez | que vous finissiez | que vous vendiez | que vous soyez |
| ils/elles | qu'ils parlent | qu'ils finissent | qu'ils vendent | qu'ils soient |
例文
- Je pars avant qu'il arrive.(ジュ・パール・アヴァン・キラリーヴ)— 彼が着く前に私は出発します
- Elle explique lentement pour que tout le monde comprenne.(エル・エクスプリック・ラントマン・プール・ク・トゥル・モンド・コンプランヌ)— みんなが理解できるように、彼女はゆっくり説明します
- Bien qu'il soit fatigué, il travaille.(ビヤン・キル・ソワ・ファティゲ、イル・トラヴァイユ)— 疲れているけれども、彼は働きます
- Nous partons à moins qu'il pleuve.(ヌ・パルトン・ア・モワン・キル・プルーヴ)— 雨が降らない限り、私たちは出発します
- Reste ici jusqu'à ce que je revienne.(レスト・イシ・ジュスカ・ス・ク・ジュ・ルヴィヤン)— 私が戻るまでここにいてください
- Elle part sans que personne le sache.(エル・パール・サン・ク・ペルソンヌ・ル・サッシュ)— 誰も知らないうちに彼女は出発します
- Avant de partir, il ferme la porte.(アヴァン・ドゥ・パルティール、イル・フェルム・ラ・ポルト)— 出発する前に、彼はドアを閉めます(主語が同じなのでavant de+不定詞)
- Je pars avant qu'il ne soit trop tard.(ジュ・パール・アヴァン・キル・ヌ・ソワ・トロ・タール)— 手遅れになる前に、私は出発します(neは虚辞で否定の意味はない)
- J'ai peur qu'il ne soit malade.(ジェ・プール・キル・ヌ・ソワ・マラード)— 彼が病気なのではないかと心配です(avoir peur queもne虚辞を伴うことがある)
- Il travaille dur pour que ses enfants réussissent.(イル・トラヴァイユ・デュール・プール・ク・セザンファン・レユシス)— 彼は子供たちが成功するように一生懸命働きます
- Bien qu'ils soient occupés, ils viennent nous voir.(ビヤン・キル・ソワ・オキュペ、イル・ヴィエンヌ・ヌ・ヴォワール)— 忙しいけれども、彼らは私たちに会いに来ます
- À moins qu'il ne fasse beau, nous resterons à la maison.(ア・モワン・キル・ヌ・ファス・ボー、ヌ・レストロン・ア・ラ・メゾン)— 天気が良くない限り、私たちは家にいます
ミニ会話
場面: 会議前のオフィスで、同僚同士が話しています。
- A: Tu pars déjà ?(テュ・パール・デジャ)— もう出るの?
- B: Oui, je veux arriver avant que la réunion ne commence.(ウィ、ジュ・ヴ・アリヴェ・アヴァン・ク・ラ・レユニオン・ヌ・コマーンス)— うん、会議が始まる前に着きたいんだ(neは虚辞)
- A: D'accord. Attends-moi jusqu'à ce que je finisse ce mail.(ダコール。アタン・モワ・ジュスカ・ス・ク・ジュ・フィニス・ス・メール)— わかった。このメールを終えるまで待ってて
- B: Pas de problème, à moins que tu ne sois trop lent !(パ・ドゥ・プロブレム、ア・モワン・ク・テュ・ヌ・ソワ・トロ・ラン)— 問題ないよ、君が遅すぎない限りね!
ここがポイント
- 接続詞ごとに「接続法を取るかどうか」が決まっている。avant que/pour que/bien que/à moins que/sans que/jusqu'à ce que はすべて接続法を要求する。
- 主語が主節と変わらないときは que+接続法ではなく「前置詞+不定詞」に言い換えるのが自然。
- jusqu'à ce que の que は接続詞のセットの一部で省略できない。
- avant que・à moins que・avoir peur que などの後ろに置かれる ne は意味のない ne虚辞で、省略しても文の意味は変わらない。
よくある間違い
- × Je pars avant qu'il arrive の arrive を arrivera(直説法未来)にしてしまう → ○ 接続法現在 arrive のまま(接続詞 avant que の後ろは常に接続法)。
- × 主語が同じなのに Avant que je parte, je ferme la porte. と que節を使う → ○ Avant de partir, je ferme la porte.(主語が同じときは avant de+不定詞のほうが自然)。
- × après que(〜した後で)の後ろにも接続法を使ってしまう → ○ après que は直説法(このアプリでは扱わないが、区別として覚えておく)。
- × avant qu'il ne parte を「彼が出発しない前に」と否定の意味に取ってしまう → ○ この ne は虚辞(ne explétif)で否定の意味はなく、省略しても文法的に正しい(pas を伴わない)。
3行まとめ
- avant que/pour que/bien que/à moins que/sans que/jusqu'à ce que は接続法を要求する接続詞。
- 主語が同じときは que+接続法ではなく前置詞+不定詞(avant de など)に言い換える。
- avant que・à moins que・avoir peur que などの後ろの ne は意味のない虚辞(省略可)。
この課を3問だけ
「手遅れになる前に」Je pars avant qu'il ___ trop tard. の il の接続法現在の形を選んでください(être)。
avant que の後ろは接続法。être の接続法は il/elle/on=soit です。qu'il est は直説法現在、qu'il sera は単純未来、qu'il était は半過去で、どれも avant que の後ろには使えません。
「あなた方が終えられるように」pour que vous ___ の vous の接続法現在の形を選んでください(finir)。
接続法の vous の語尾は半過去と同じ -iez。finir(-iss-型)の語幹 finiss- に付けて finissiez になります。finissez は直説法現在、finirez は単純未来です。
次のうち、後ろに必ず接続法を使う接続詞はどれ?
avant que(〜する前に)は接続法を要求する代表的な接続詞です。après que(〜した後で)・parce que(なぜなら)・quand(〜するとき)の後ろは直説法を使います。
{correct} / {total} 問正解
この課の残り9問と復習機能はアプリで
App Store で近日公開
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