第26課 / 32課 B2
受動態(par/deの使い分け)
受動態(par/deの使い分け)
この課でできるようになること: 能動文を受動文に書き換えられるようになる。動作の主(だれがしたか)を示す par と de の使い分けもわかる。あわせて、日常会話でよく使われる受動態の代わりの言い方(on・se受動)もわかるようになる。
まず日本語で考える
日本語にも「〜される」という受け身の言い方がありますが、フランス語の受動態は英語の be+過去分詞(is done)とほぼ同じ作り方です。フランス語では être+過去分詞の形を使い、過去分詞は主語(=受動文で「〜される」対象になったもの)に性数一致させます。動作をした人・ものを示すときは前置詞 par(「〜によって」)を使いますが、感情や状態を表す動詞では de を使うことがある、という使い分けも今回のポイントです。
ルール
① 受動態の基本形: 主語(される側)+ être(時制に応じて活用)+ 過去分詞(主語と性数一致)+ par+動作主。
能動: Le chat mange la souris.(猫がネズミを食べる)
受動: La souris est mangée par le chat.(ネズミは猫に食べられる)
② 過去分詞は主語に性数一致する(複合過去の être型と同じ一致規則)。La souris(女性単数)→ mangée(eを付ける)。
③ 動作主を示す前置詞は基本 par だが、感情・継続的な状態を表す動詞(aimer, respecter, connaître, entourer など)は de を使うことが多い。
Le professeur est respecté de ses élèves.(その先生は生徒たちに尊敬されている)
④ 動作主が「一般の人」で特定できない・言う必要がないときは par句を省略できる。
Cette maison a été construite en 1900.(この家は1900年に建てられた=誰が建てたかは言わない)
⑤ 直接目的語を持たない動詞(自動詞)は受動態にできない。前置詞なしの直接目的語を取る動詞だけが受動態を作れる。
⑥ 受動態の代替(on・se受動): 日常会話では être+過去分詞の「本当の受動態」より、次の2つの言い換えのほうがよく使われる。
- on+能動文: 動作主が「人々一般」のときは on を主語にした能動文の方が自然。Ici, on parle français.(ここではフランス語が話されている=話されます)
- se+動詞(受動的な用法): 主語が「もの」で、習慣的・一般的なことを言うときは代名動詞(se+動詞)を使うことが多い。Ce livre se vend bien.(この本はよく売れる=売れています)
どちらも、être+過去分詞の書き言葉的な受動態より自然でくだけた響きになる。se+動詞の受動的な用法では動作主(par〜)を付けられない点に注意。
活用表(受動態・現在形・全人称)
| 主語 | être(現在形)+ aimé(受動態・現在形) |
|---|---|
| je | je suis aimé(e) |
| tu | tu es aimé(e) |
| il/elle | il est aimé / elle est aimée |
| nous | nous sommes aimé(e)s |
| vous | vous êtes aimé(e)(s) |
| ils/elles | ils sont aimés / elles sont aimées |
例文
- Le livre est lu par les étudiants.(ル・リーヴル・エ・リュ・パール・レゼテュディヤン)— その本は学生たちに読まれている
- Cette lettre a été écrite par Marie.(セット・レットル・ア・エテ・エクリット・パール・マリ)— この手紙はマリによって書かれた
- Les fenêtres sont fermées.(レ・フネートル・ソン・フェルメ)— 窓は閉められている(動作主なし)
- Elle est aimée de tous.(エレ・エメ・ドゥ・トゥス)— 彼女はみんなに愛されている(deを使う感情動詞)
- Le président est suivi par des journalistes.(ル・プレジダン・エ・スュイヴィ・パール・デ・ジュルナリスト)— 大統領は記者たちに付き添われている
- Le pont a été construit en 1889.(ル・ポン・ア・エテ・コンストリュイ・アン・ミル・ユイット・サン・キャトルヴァンヌフ)— その橋は1889年に建てられた
- On parle français ici.(オン・パール・フランセ・イシ)— ここではフランス語が話されています(on+能動文)
- Ce livre se vend bien.(ス・リーヴル・ス・ヴァン・ビヤン)— この本はよく売れています(se受動)
- Ça ne se dit pas.(サ・ヌ・ス・ディ・パ)— そうは言わないものです(se受動)
- Le français se parle dans plusieurs pays.(ル・フランセ・ス・パール・ダン・プリュジュール・ペイ)— フランス語はいくつもの国で話されています
- Comment ça s'écrit ?(コマン・サ・セクリ)— これはどうやって書きますか(スペルは?)
- On construit beaucoup d'immeubles dans ce quartier.(オン・コンストリュイ・ボク・ダンムーブル・ダン・ス・カルティエ)— この地区ではたくさんのビルが建てられています
ミニ会話
場面: 本屋で店員と客が話しています。
- Client: Ce livre se vend bien ?(ス・リーヴル・ス・ヴァン・ビヤン)— この本はよく売れていますか
- Vendeur: Oui, il est très populaire. On en vend beaucoup chaque semaine.(ウィ、イレ・トレ・ポピュレール。オナン・ヴァン・ボク・シャック・スメーヌ)— はい、とても人気です。毎週たくさん売れています
- Client: Et comment ça s'écrit, le nom de l'auteur ?(エ・コマン・サ・セクリ、ル・ノン・ドゥ・ロトゥール)— それで、著者の名前はどう書きますか
- Vendeur: Ça s'écrit comme ça se prononce, très simple !(サ・セクリ・コム・サ・ス・プロノンス、トレ・サンプル)— 発音通りに書きます、とても簡単です!
ここがポイント
- 受動態は être+過去分詞で作り、過去分詞は必ず主語に性数一致する。
- 動作主は基本 par だが、感情・状態を表す動詞は de を使うことが多い(aimer/respecter/connaître など)。
- 動作主が不明・重要でないときは par句ごと省略できる。
- 日常会話では on+能動文 や se+動詞(Ça se vend/Ça se dit)のほうが être+過去分詞より自然なことが多い。
よくある間違い
- × La souris est mangé par le chat.(過去分詞の性数一致を忘れる)→ ○ mangée(主語 la souris は女性単数)
- × Elle est aimée par tous.(感情動詞に par を使う。文法的な誤りではないが de のほうが自然)→ ○ de tous のほうが自然。
- × Il est arrivé par le train を「彼は電車によって到着させられた」という受動態と誤解する → arriver は自動詞で受動態を作れません。これは複合過去(être支配)であって受動態ではない。
- × 「一般に〜される」と言いたいときに毎回 être+過去分詞 を使ってしまい不自然になる → ○ 話し言葉では on+能動文 や se+動詞(Ça se vend/Ça se dit)のほうが自然なことが多い。
3行まとめ
- 受動態は「される側の主語+être+過去分詞(性数一致)+par+動作主」で作る。
- 感情・状態を表す動詞は par の代わりに de を使うことが多い。
- 日常会話では on+能動文 や se+動詞(受動的な用法)のほうが自然な場合が多い。
この課を3問だけ
「その本は学生たちに読まれている」を正しく表すのは?
受動態は être(時制に応じて活用)+過去分詞。lire の過去分詞は lu なので est lu になります。
「その手紙は書かれた」La lettre a été ___(écrire)の空欄に当てはまるのは?
主語 la lettre は女性単数なので、過去分詞 écrit に e を付けて écrite にします。
「彼女はみんなに愛されている」を最も自然に表すのは?
aimer のような感情を表す動詞は、動作主を par ではなく de で示すことが多いです(Elle est aimée par tous も文法的には可能ですが、de のほうが自然です)。
{correct} / {total} 問正解
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