第30課 / 32課 B2
話法・時制の総復習(直接話法/間接話法)
話法・時制の総復習(直接話法/間接話法)
この課でできるようになること: 直接話法(発言をそのまま引用)を間接話法(誰かの発言として伝える)に変換するときの「時制の一致」のルールを、B1で習った基本から一歩進めて総復習する。あわせて、未来のある時点までの完了を表す前未来(futur antérieur)と、時・場所・指示語のシフト表も身につける。
まず日本語で考える
日本語で「彼は『行きます』と言った」を「彼は行くと言った」のように言い換えるとき、日本語では時制はあまり変化しませんが、フランス語では主節の動詞(dire など)が過去形のとき、引用される節の時制が1段階過去にずれるという厳密なルールがあります(時制の一致)。この課ではB1で習った基本パターンをまとめて、応用問題で総復習します。
ルール
① 時制の一致の対応表(主節が 過去形〈dit / a dit / disait〉のとき)。
| 直接話法(元の時制) | 間接話法(ずれた時制) |
|---|---|
| 現在形 | 半過去 |
| 複合過去 | 大過去 |
| 半過去 | 半過去(変化なし) |
| 単純未来 | 条件法現在 |
② 主節が 現在形(dit=言っている、今)のときは、引用節の時制はそのまま変化しない。
Il dit : "Je viendrai." → Il dit qu'il viendra.(時制の一致なし)
③ 主節が過去形のときだけ時制がずれる。
Il a dit : "Je viendrai." → Il a dit qu'il viendrait.(単純未来→条件法現在)
Il a dit : "J'ai fini." → Il a dit qu'il avait fini.(複合過去→大過去)
④ 疑問文・命令文の転換も復習。est-ce que → si、命令文 → de+不定詞。
Il a demandé : "Est-ce que tu viens ?" → Il a demandé si je venais.
Il m'a dit : "Pars !" → Il m'a dit de partir.
⑤ 前未来(futur antérieur): 「〜し終えているだろう」のように、未来のある時点までに完了しているはずのことを表す時制。作り方は助動詞(avoir/êtreを複合過去と同じ基準で選択)の単純未来+過去分詞。quand/dès que+前未来、主節+単純未来、という組み合わせでよく使う。このアプリの活用エンジンでは前未来は対象外(助動詞の単純未来+過去分詞を自分で組み立てる練習として出題する)。
時間・場所・指示語のシフト表(間接話法・主節が過去形のとき)
| 直接話法 | 間接話法 |
|---|---|
| aujourd'hui(今日) | ce jour-là(その日) |
| hier(昨日) | la veille(前日) |
| demain(明日) | le lendemain(翌日) |
| ici(ここ) | là(そこ) |
| maintenant(今) | à ce moment-là(その時) |
| ce matin(今朝) | ce matin-là(その日の朝) |
| la semaine prochaine(来週) | la semaine suivante(その次の週) |
| la semaine dernière(先週) | la semaine précédente(その前の週) |
例文
- Il dit qu'il est fatigué.(イル・ディ・キレ・ファティゲ)— 彼は疲れていると言っている(主節が現在形なので時制不変)
- Il a dit qu'il était fatigué.(イラ・ディ・キレテ・ファティゲ)— 彼は疲れていると言った(現在→半過去)
- Elle a dit qu'elle avait fini.(エラ・ディ・ケラヴェ・フィニ)— 彼女は終えたと言った(複合過去→大過去)
- Il a dit qu'il viendrait demain.(イラ・ディ・キル・ヴィヤンドレ・ドゥマン)— 彼は明日来るだろうと言った(単純未来→条件法現在)
- Il a demandé si je venais.(イラ・ドゥマンデ・シ・ジュ・ヴネ)— 彼は私が来るかどうか尋ねた(疑問文→si節)
- Il m'a dit de partir.(イル・マ・ディ・ドゥ・パルティール)— 彼は私に出発するように言った(命令文→de+不定詞)
- Quand tu arriveras, j'aurai fini mon travail.(カン・テュ・アリヴラ、ジョレ・フィニ・モン・トラヴァイユ)— 君が着く頃には、私は仕事を終えているだろう(前未来)
- Elle sera déjà partie quand nous arriverons.(エル・スラ・デジャ・パルティ・カン・ヌザリヴロン)— 私たちが着く頃には、彼女はもう出発しているだろう(前未来・être型)
- Il a dit qu'il viendrait le lendemain.(イラ・ディ・キル・ヴィヤンドレ・ル・ランドマン)— 彼は翌日来るだろうと言った(demain→le lendemain)
- Elle a dit qu'elle était partie la veille.(エラ・ディ・ケレテ・パルティ・ラ・ヴェイユ)— 彼女は前日に出発したと言った(hier→la veille)
- Il a expliqué qu'il travaillait là ce jour-là.(イラ・エクスプリケ・キル・トラヴァイエ・ラ・ス・ジュール・ラ)— 彼はその日そこで働いていると説明した(ici→là、aujourd'hui→ce jour-là)
- Elle a dit qu'elle le ferait la semaine suivante.(エラ・ディ・ケル・ル・フレ・ラ・スメーヌ・スュイヴァント)— 彼女は次の週にそれをするだろうと言った(la semaine prochaine→la semaine suivante)
ミニ会話
場面: 友人から聞いた話を別の人に伝える場面です。
- A: Qu'est-ce que Paul a dit ?(ケスク・ポール・ア・ディ)— ポールは何て言ってた?
- B: Il a dit qu'il viendrait le lendemain.(イラ・ディ・キル・ヴィヤンドレ・ル・ランドマン)— 翌日来るだろうって言ってたよ
- A: Et il a parlé de la réunion ?(エ・イラ・パルレ・ドゥ・ラ・レユニオン)— それで、会議のことは話してた?
- B: Oui, il a dit que tout serait fini avant la réunion.(ウィ、イラ・ディ・ク・トゥ・スレ・フィニ・アヴァン・ラ・レユニオン)— うん、会議前に全部終わっているだろうと言ってたよ
ここがポイント
- 時制の一致が起きるのは 主節が過去形のときだけ。主節が現在形なら引用節の時制はそのまま。
- 単純未来→条件法現在、複合過去→大過去、というずれ方をセットで覚える。
- 疑問文はsi(または疑問詞そのまま)、命令文はde+不定詞に変わる。
- 前未来(助動詞の単純未来+過去分詞)は「未来のある時点までに完了しているだろう」を表す。
よくある間違い
- × Il a dit qu'il vient fatigué のように、主節が過去なのに現在形のまま伝えてしまう → ○ était(半過去にずらす)
- × Il a demandé est-ce que je venais.(間接疑問文にもest-ce queを残してしまう)→ ○ si(est-ce queはsiに変わる)
- × Il m'a dit que je parte.(命令文の転換にque+接続法を使ってしまう)→ ○ de partir(命令文はde+不定詞に変わる)
- × 間接話法でdemain(明日)をそのまま残してしまう → ○ le lendemain(主節が過去形のときはdemain→le lendemain、hier→la veille、ici→làのように時・場所を表す語も変える)
3行まとめ
- 時制の一致は主節が過去形のときだけ起きる(現在形ならそのまま)。
- 現在→半過去、複合過去→大過去、単純未来→条件法現在、とずれる。時・場所を表す語(demain→le lendemainなど)も変わる。
- 前未来(助動詞の単純未来+過去分詞)は未来のある時点での完了を表す。
この課を3問だけ
主節が過去形のとき、直接話法の単純未来は間接話法でどうなる?
主節が過去形(a dit等)のとき、直接話法の単純未来は間接話法で条件法現在にずれます(viendra→viendrait)。
主節が過去形のとき、複合過去はどうなる?
主節が過去形のとき、直接話法の複合過去は間接話法で大過去にずれます(a fini→avait fini)。
「彼は疲れていると言っている」(現在)の正しい形は?
主節が現在形(dit)のときは時制の一致は起きず、引用節はそのまま現在形です。
{correct} / {total} 問正解
この課の残り9問と復習機能はアプリで
App Store で近日公開
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