第31課 / 32課 B2
フォーマル表現とビジネスフランス語(メール・面接)
フォーマル表現とビジネスフランス語(メール・面接)
この課でできるようになること: ビジネスメールや面接で使うフォーマルな決まり文句(書き出し・結びのあいさつ・丁寧な依頼)が使えるようになる。くだけた表現とフォーマルな表現の違い、そしてフォーマルな文章に特徴的な「名詞化(nominalisation)」もわかる。
まず日本語で考える
日本語のビジネスメールにも「拝啓」「何卒よろしくお願いいたします」のような、日常会話では使わない決まり文句がありますね。フランス語のビジネスメールにも同じように、普段の会話では絶対に使わない、独特の言い回しがあります。特に結びの言葉(Je vous prie d'agréer...)は非常に長く堅苦しいですが、決まり文句として丸ごと覚えてしまうのが一番です。もう1つの特徴が「名詞化」で、動詞で言えることをあえて名詞にして述べると、より書類らしい響きになります。
ルール
① メールの書き出し(相手の役職・性別がわからないとき)。
- Madame, Monsieur,(最も一般的な書き出し。名前がわからないとき)
- Cher Monsieur Dupont,(名前がわかっているとき、より丁寧)
② 依頼のフォーマルな言い方。
- Je vous serais reconnaissant(e) de + 不定詞(〜していただけますと幸いです)
- Je vous prie de + 不定詞(〜していただけますようお願いいたします)
- Pourriez-vous + 不定詞 ?(〜していただけますでしょうか、条件法で丁寧に)
③ 結びの決まり文句(手紙・メールの最後、暗記でよい)。
Je vous prie d'agréer, Madame, Monsieur, l'expression de mes salutations distinguées.(敬具、に相当する最も格式高い結び)。もう少しやわらかい結びには Cordialement,(よろしくお願いいたします、に近い)や Bien cordialement, もよく使われる。
④ くだけた表現とフォーマル表現の対応(代表例)。
| くだけた表現 | フォーマル表現 |
|---|---|
| Salut ! | Madame, Monsieur, |
| Tu peux...? | Pourriez-vous...? |
| Merci beaucoup | Je vous remercie |
| À bientôt ! | Cordialement, |
⑤ 面接での自己紹介・丁寧表現: Je me permets de vous contacter au sujet de...(〜の件でご連絡させていただきます)、J'aimerais savoir si...(〜かどうか伺いたいのですが)。
⑥ 名詞化(nominalisation): フォーマルな文章(メール・書類・ニュース)では、動詞や形容詞の内容をあえて名詞に変えて使うことが多い。代表的な作り方は次の2通り。
- 動詞→名詞: -tion(informer→l'information、décider→la décision)・-ment(changer→le changement)・-age(passer→le passage)
- 形容詞→名詞: -té(disponible→la disponibilité)・-esse(poli→la politesse)
くだけた文 "Nous vous informons que nous avons décidé de..." よりも、名詞化した "Nous vous informons de notre décision de..." のほうが書類らしいフォーマルな響きになる。
名詞化の代表例
| 動詞/形容詞 | 名詞化した形 | 意味 |
|---|---|---|
| décider(決める) | la décision | 決定 |
| informer(知らせる) | l'information | 情報・知らせ |
| changer(変える) | le changement | 変化 |
| disponible(利用できる) | la disponibilité | 空き状況 |
| annoncer(発表する) | l'annonce | 発表 |
| réussir(成功する) | la réussite | 成功 |
例文
- Madame, Monsieur, je me permets de vous contacter au sujet de votre offre d'emploi.(マダム、ムッシュー、ジュ・ム・ペルメ・ドゥ・ヴ・コンタクテ・オー・スジェ・ドゥ・ヴォートル・オフル・ドゥンプロワ)— 拝啓、貴社の求人についてご連絡させていただきます
- Je vous serais reconnaissant de me répondre rapidement.(ジュ・ヴ・スレ・ルコネサン・ドゥ・ム・レポンドル・ラピドマン)— 早急にお返事いただけますと幸いです
- Pourriez-vous m'envoyer plus d'informations ?(プーリエ・ヴ・マンヴォワイエ・プリュ・ダンフォルマシオン)— もっと詳しい情報を送っていただけますでしょうか
- Je vous prie d'agréer, Madame, Monsieur, l'expression de mes salutations distinguées.(ジュ・ヴ・プリ・ダグレエ、マダム、ムッシュー、レクスプレシオン・ドゥ・メ・サリュタシオン・ディスタンゲ)— 敬具(最も格式高い結び)
- Cordialement,(コルディアルマン)— よろしくお願いいたします(やや柔らかい結び)
- J'aimerais savoir si le poste est toujours disponible.(ジェムレ・サヴォワール・シ・ル・ポスト・エ・トゥジュール・ディスポニーブル)— そのポストがまだ空いているか伺いたいのですが
- Nous vous informons de notre décision.(ヌ・ヴザンフォルモン・ドゥ・ノートル・デシジオン)— 私たちの決定についてお知らせします(nominalisation: décider→décision)
- Merci de votre compréhension.(メルシ・ドゥ・ヴォートル・コンプレヤンシオン)— ご理解のほどよろしくお願いいたします(comprendre→compréhension)
- Veuillez trouver ci-joint mon curriculum vitae.(ヴイエ・トゥルヴェ・シジョワン・モン・キュリキュラム・ヴィテ)— 履歴書を添付いたしましたのでご確認ください
- Dans l'attente de votre réponse,(ダン・ラタント・ドゥ・ヴォートル・レポンス)— お返事をお待ちしております(attendre→attente、結びの前に置く定型句)
- Je reste à votre disposition pour toute information complémentaire.(ジュ・レスト・ア・ヴォートル・ディスポジシオン・プール・トゥット・アンフォルマシオン・コンプレマンテール)— 追加の情報が必要な場合はいつでもご連絡ください
- Nous avons bien reçu votre candidature.(ヌザヴォン・ビヤン・レシュ・ヴォートル・カンディダテュール)— あなたのご応募を確かに受け取りました
ミニ会話
場面: 会社に電話で問い合わせる場面です。
- A: Bonjour, je me permets de vous appeler au sujet de votre annonce.(ボンジュール、ジュ・ム・ペルメ・ドゥ・ヴザプレ・オー・スジェ・ドゥ・ヴォートル・アノンス)— こんにちは、御社の求人広告の件でお電話しております
- B: Bien sûr, que puis-je faire pour vous ?(ビヤン・スュール、ク・ピュイジュ・フェール・プール・ヴ)— かしこまりました、どのようなご用件でしょうか
- A: Je voudrais savoir si le poste est toujours disponible.(ジュ・ヴドレ・サヴォワール・シ・ル・ポスト・エ・トゥジュール・ディスポニーブル)— そのポストがまだ空いているか伺いたいのですが
- B: Oui, tout à fait. Pourriez-vous nous envoyer votre candidature ?(ウィ、トゥタフェ。プーリエ・ヴ・ヌザンヴォワイエ・ヴォートル・カンディダテュール)— はい、まだ空いております。応募書類を送っていただけますか
ここがポイント
- 相手の名前がわからないメールはMadame, Monsieur,で書き始めるのが最も無難。
- Pourriez-vous...?(条件法)はTu peux...?のくだけた依頼を丁寧にした形。
- 結びのJe vous prie d'agréer...は長い決まり文句だが、フォーマルなメールの定番として丸ごと覚える。
- 名詞化(la décision、l'informationなど)を使うと、動詞中心の文より書類らしいフォーマルな響きになる。
よくある間違い
- × ビジネスメールでSalut !やCoucouと書き始めてしまう → ○ Madame, Monsieur,(フォーマルな場では避ける)
- × Tu peux m'envoyer les documents ?をそのままビジネスメールに使う → ○ Pourriez-vous m'envoyer les documents ?(条件法で丁寧にする)
- × 結びをÀ bientôt !のようなくだけた形で終えてしまう → ○ Cordialement, または Je vous prie d'agréer...(フォーマルな結びを使う)
- × フォーマルな文書でも動詞中心の文(Nous avons décidé que...)ばかり使ってしまう → ○ 名詞化(notre décision de...)を使うと、より書類らしいフォーマルな響きになる。
3行まとめ
- ビジネスメールはMadame, Monsieur,で書き始め、Cordialement,または長い定型句で結ぶ。
- 依頼はPourriez-vous...?(条件法)やJe vous serais reconnaissant de...のように丁寧にする。
- フォーマルな文書では、動詞よりも名詞化した表現(la décision、l'informationなど)がよく使われる。
この課を3問だけ
相手の名前がわからないビジネスメールの書き出しとして適切なのは?
相手の名前がわからないフォーマルなメールは、Madame, Monsieur,で書き始めるのが最も無難です。
「〜していただけますでしょうか」を最も丁寧に表すのは?
条件法を使ったPourriez-vous...?は最も丁寧な依頼の表現です。
手紙・メールで最も格式高い結びの表現はどれ?
これは日本語の「敬具」に相当する、最も格式高いフォーマルな結びの決まり文句です。
{correct} / {total} 問正解
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