第29課 / 32課 B2
条件法過去(si+大過去)
条件法過去(si+大過去)
この課でできるようになること: 「もし〜だったら、〜だっただろうに」という、過去の事実に反する仮定と、それに対する後悔・推測を表現できるようになる。B1で習った si+半過去(現在の事実に反する仮定)との違いも整理する。
まず日本語で考える
日本語の「あの時勉強していたら、合格していただろうに」のような、もう変えられない過去についての「たられば」を表すのがこの課の条件法過去です。B1では si+半過去、主節+条件法現在(現在の事実に反する仮定: もし今〜なら、〜するだろう)を習いました。今回はそれをまるごと1つ時制さかのぼらせ、si+大過去、主節+条件法過去という型で、過去の「たられば」を表します。
ルール
① 条件法過去の作り方: 助動詞(avoir/être)の条件法現在+過去分詞(複合過去や大過去と同じ助動詞選択・過去分詞一致規則)。
J'aurais fait(私はしただろう)= avoirの条件法現在 aurais + fait。
Elle serait partie(彼女は出発しただろう)= êtreの条件法現在 serait + partie(一致)。
② 過去の事実に反する仮定の型: Si+主語+大過去(plus-que-parfait), 主節+条件法過去。
Si j'avais su, je serais venu.(知っていたら、来ていただろうに)
③ 語順は入れ替え可能(主節を先に置いてもよい): Je serais venu si j'avais su.
④ 現在の仮定(B1既習: si+半過去→条件法現在)との違いに注意。
- Si j'avais de l'argent, j'achèterais une voiture.(今お金があれば、車を買うだろう=現在の仮定)
- Si j'avais eu de l'argent, j'aurais acheté une voiture.(あの時お金があったら、車を買っていただろう=過去の仮定)
⑤ 条件法過去は「後悔」を表す独立した使い方もできる(si節なしで単独使用)。J'aurais dû l'écouter.(彼の話を聞いておくべきだったのに=しなかった後悔)
活用表(条件法過去・全人称)
| 主語 | parler(avoir型) | aller(être型) |
|---|---|---|
| je (j') | j'aurais parlé | je serais allé(e) |
| tu | tu aurais parlé | tu serais allé(e) |
| il/elle/on | il aurait parlé | il serait allé / elle serait allée |
| nous | nous aurions parlé | nous serions allé(e)s |
| vous | vous auriez parlé | vous seriez allé(e)(s) |
| ils/elles | ils auraient parlé | ils seraient allés / elles seraient allées |
例文
- Si j'avais su, je serais venu.(シ・ジャヴェ・スュ、ジュ・スレ・ヴニュ)— 知っていたら、来ていただろうに
- Si tu m'avais appelé, j'aurais répondu.(シ・テュ・マヴェ・ザプレ、ジョレ・レポンデュ)— 君が電話してくれていたら、私は応えていただろうに
- Elle serait partie plus tôt si elle avait su.(エル・スレ・パルティ・プリュ・ト・シ・エル・アヴェ・スュ)— 知っていたら彼女はもっと早く出発していただろうに
- J'aurais dû l'écouter.(ジョレ・デュ・レクテ)— 彼の話を聞いておくべきだったのに(単独の後悔)
- Nous aurions gagné si nous avions mieux joué.(ヌゾリヨン・ガニェ・シ・ヌザヴィヨン・ミュー・ジュエ)— もっとうまくプレーしていたら、私たちは勝っていただろうに
- Si nous avions su, nous serions venus plus tôt.(シ・ヌザヴィヨン・スュ、ヌ・スリヨン・ヴニュ・プリュ・ト)— 知っていたら、私たちはもっと早く来ていただろうに
- Tu aurais dû me le dire.(テュ・オレ・デュ・ム・ル・ディール)— 君はそれを私に言うべきだったのに
- Ils seraient partis si le temps avait été meilleur.(イル・スレ・パルティ・シ・ル・タン・アヴェ・エテ・メイユール)— 天気がもっと良ければ、彼らは出発していただろうに
- J'aurais aimé vous rencontrer plus tôt.(ジョレ・エメ・ヴ・ランコントレ・プリュ・ト)— もっと早くあなたに出会えていたらよかったのに
- Sans ton aide, je n'aurais pas réussi.(サン・トナイド、ジュ・ノレ・パ・レユシ)— 君の助けがなければ、私は成功していなかっただろう
- Vous auriez pu m'avertir.(ヴゾリエ・ピュ・マヴェルティール)— 私に知らせることもできただろうに
- Elle n'aurait jamais accepté cette offre.(エル・ノレ・ジャメ・アクセプテ・セット・オフル)— 彼女はこの申し出を決して受け入れなかっただろう
ミニ会話
場面: 数年前の決断について話す友人同士です。
- A: Tu ne regrettes pas d'avoir quitté ton travail ?(テュ・ヌ・ルグレット・パ・ダヴォワール・キテ・トン・トラヴァイユ)— 仕事を辞めたこと、後悔していないの?
- B: Non, mais si j'avais su, j'aurais attendu un peu.(ノン、メ・シ・ジャヴェ・スュ、ジョレ・アタンデュ・アン・プー)— ううん、でも知っていたら、もう少し待っていただろうね
- A: Moi, j'aurais fait la même chose que toi.(モワ、ジョレ・フェ・ラ・メーム・ショーズ・ク・トワ)— 私だったら、君と同じことをしていただろうな
- B: Tu aurais eu raison.(テュ・オレ・ユ・レゾン)— それなら君は正しかっただろうね
ここがポイント
- 条件法過去=助動詞(avoir/être)の条件法現在+過去分詞。時制の選択・過去分詞の一致規則は複合過去・大過去と同じ。
- 過去の「たられば」の型は si+大過去、主節+条件法過去。B1の「si+半過去、主節+条件法現在」より1段階過去にずれる。
- 条件法過去はsi節なしで「〜すべきだったのに」という後悔の単独表現としても使われる(J'aurais dû...)。
よくある間違い
- × Si j'avais su, je viendrais.(si節は大過去なのに主節を条件法現在のままにしてしまう)→ ○ je serais venu(過去の仮定なら主節も条件法過去)
- × Si j'aurais su, je serais venu.(si節に条件法を使ってしまう。フランス語ではsi節に条件法は使わない)→ ○ Si j'avais su(si節は必ず大過去)
- × J'aurais du l'écouter(duにアクサンを忘れる)→ ○ dû(過去分詞dûはアクサン・シルコンフレックス付き)
- × J'aurais dû l'écouter を「私は彼の話を聞くべきだ(現在の義務)」と現在の意味に誤読してしまう → ○ 条件法過去のdû+不定詞は「〜すべきだったのに(過去の後悔)」を表し、現在の義務(je dois/je devrais)とは異なる。
3行まとめ
- 条件法過去=助動詞(avoir/être)の条件法現在+過去分詞。
- 過去の「たられば」はsi+大過去、主節+条件法過去(si節には条件法を使わない)。
- 条件法過去は単独でも「〜すべきだったのに」という後悔を表せる。
この課を3問だけ
「知っていたら、来ていただろうに」を正しく表すのは?
過去の仮定はsi+大過去(j'avais su)、主節+条件法過去(je serais venu)です。
si節(仮定の部分)に絶対使わない時制はどれ?
フランス語ではsi節(仮定を表す節)に条件法は使いません。過去の仮定ではsi節は必ず大過去にします。
「彼女はもっと早く出発していただろうに」を正しく表すのは?
partirはêtre支配の動詞。条件法過去はêtreの条件法現在(serait)+過去分詞(主語ellesに一致してpartie)です。
{correct} / {total} 問正解
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