第23課 / 32課 B1
話法の転換(直接話法→間接話法・時制の一致)
話法の転換(直接話法→間接話法・時制の一致)
この課でできるようになること: 直接引用する言い方(直接話法)を、dire queなどを使って伝える言い方(間接話法)に変えられるようになる。過去の時点で伝えるときに起きる時制のずれ(時制の一致)と、時間・場所の表現のずれも理解する。
まず日本語で考える
日本語で「彼は『疲れた』と言った」と言うとき、引用した部分の時制はそのままですね。フランス語でも伝達動詞(dire など)が現在形なら時制は変わりませんが、伝達動詞が過去形(disait / a dit)のときは、引用部分の動詞の時制を1段階過去にずらす「時制の一致」というルールが働きます。さらに、「明日」「昨日」のような時間の表現も、伝える時点がずれていれば合わせて変える必要があります。
ルール
① 直接話法→間接話法の基本形: 引用部分を que でつなぐ節に変える。
Il dit : "Je suis fatigué."→ Il dit qu'il est fatigué.(伝達動詞が現在形ditのときは時制はそのまま)
② 伝達動詞が過去形(disait / a dit)のときは、引用部分の時制が1段階ずれる。
時制の一致・基本表
| 直接話法(元の時制) | 間接話法(過去の伝達動詞の後) |
|---|---|
| 現在形 | 半過去 |
| 複合過去 | 大過去 |
| 半過去 | 半過去(変化なし) |
| 単純未来 | 条件法現在 |
| 命令法 | de+不定詞 |
Il a dit : "Je suis fatigué."→ Il a dit qu'il était fatigué.(現在形→半過去)
Il a dit : "J'ai fini."→ Il a dit qu'il avait fini.(複合過去→大過去)
Il a dit : "Je viendrai."→ Il a dit qu'il viendrait.(単純未来→条件法現在)
Il m'a dit : "Pars !"→ Il m'a dit de partir.(命令法→de+不定詞)
③ 代名詞・所有形容詞も話し手の視点に合わせて変える(je→il、mon→son など)。
④ 時間・場所の表現のずれ: 過去の伝達動詞の後で、伝える時点がもとの発言と違う日にちなら、時間・場所の表現も合わせて変える。同じ日のうちに伝える場合はそのままでよい。
| 直接話法 | 間接話法(後日伝える場合) |
|---|---|
| aujourd'hui(今日) | ce jour-là(その日) |
| hier(昨日) | la veille(その前日) |
| demain(明日) | le lendemain(その翌日) |
| ici(ここ) | là(そこ) |
| maintenant(今) | à ce moment-là(その時) |
例文
- Il dit qu'il est fatigué.(イル・ディ・キレ・ファティゲ)— 彼は疲れていると言う
- Il a dit qu'il était fatigué.(イラ・ディ・キレテ・ファティゲ)— 彼は疲れていたと言った
- Il a dit qu'il avait fini son travail.(イラ・ディ・キラヴェ・フィニ・ソン・トラヴァイユ)— 彼は仕事を終えたと言った
- Il a dit qu'il viendrait demain.(イラ・ディ・キル・ヴィヤンドレ・ドゥマン)— 彼は明日来るだろうと言った
- Elle m'a dit qu'elle m'aimait.(エル・マ・ディ・ケル・メメ)— 彼女は私を愛していると私に言った
- Il m'a dit de partir.(イル・マ・ディ・ドゥ・パルティール)— 彼は私に出発するように言った
- Elle m'a demandé de fermer la porte.(エル・マ・ドゥマンデ・ドゥ・フェルメ・ラ・ポルト)— 彼女は私にドアを閉めるように頼んだ
- Elle a dit qu'elle serait là le lendemain.(エラ・ディ・ケル・スレ・ラ・ル・ランドゥマン)— 彼女は翌日そこにいるだろうと言った
- Il a dit qu'il avait vu ce film la veille.(イラ・ディ・キラヴェ・ヴュ・ス・フィルム・ラ・ヴェイユ)— 彼はその前日にその映画を見たと言った
- Elle a dit qu'elle habitait là.(エラ・ディ・ケラビテ・ラ)— 彼女はそこに住んでいると言った
- Il a dit qu'il était fatigué ce jour-là.(イラ・ディ・キレテ・ファティゲ・ス・ジュール・ラ)— 彼はその日疲れていると言った
- Il a dit qu'il ne pouvait pas venir.(イラ・ディ・キル・ヌ・プヴェ・パ・ヴニール)— 彼は来ることができないと言った
- Elle a dit qu'elle irait au marché le lendemain.(エラ・ディ・ケリレ・オ・マルシェ・ル・ランドゥマン)— 彼女は翌日市場に行くだろうと言った
ミニ会話(場面: 友人から聞いた話を別の友人に伝えている)
- A: Qu'est-ce que Paul t'a dit ?(ケスク・ポール・タ・ディ)— ポールは君に何て言ったの?
- B: Il m'a dit qu'il était malade et qu'il ne pouvait pas venir.(イル・マ・ディ・キレテ・マラード・エ・キル・ヌ・プヴェ・パ・ヴニール)— 病気で来られないと言っていたよ
- A: Il a dit quand il reviendrait ?(イラ・ディ・カン・イル・ルヴィヤンドレ)— いつ戻ってくるかは言ってた?
- B: Oui, il a dit qu'il reviendrait le lendemain.(ウィ、イラ・ディ・キル・ルヴィヤンドレ・ル・ランドゥマン)— うん、翌日戻ってくるだろうと言っていた
ここがポイント
- 伝達動詞(dire)が現在形なら時制は変わらない。過去形(a dit / disait)のときだけ時制が1段階ずれる。
- 現在形→半過去、複合過去→大過去、単純未来→条件法現在、命令法→de+不定詞、という4つの対応をセットで覚える。
- 時間・場所の表現(demain・hier・iciなど)も、伝える時点が発言の日と違うときはずらす。同じ日のうちならそのままでよい。
よくある間違い
- × Il a dit qu'il est fatigué.(過去の伝達動詞の後で現在形のままにしてしまう)→ ○ Il a dit qu'il était fatigué.(時制を1段階ずらす)
- × Il a dit qu'il a fini.(複合過去のまま)→ ○ Il a dit qu'il avait fini.(複合過去→大過去)
- × Il a dit: "il viendra."をそのままqu'il viendraにしてしまう → ○ qu'il viendrait(単純未来→条件法現在)
- × Elle a dit qu'elle habite ici.(現在形のまま、かつ場所の表現iciをそのまま使ってしまう)→ ○ Elle a dit qu'elle habitait là.(現在形→半過去にずれ、iciはlàに変わる)
3行まとめ
- 伝達動詞が現在形なら時制はそのまま、過去形なら1段階ずれる(時制の一致)。
- 現在形→半過去/複合過去→大過去/単純未来→条件法現在/命令法→de+不定詞、の4対応を覚える。
- 時間・場所の表現(demain→le lendemainなど)も、後日伝える場合は合わせて変える。
この課を3問だけ
Il dit : "Je suis fatigué." を間接話法にすると?
伝達動詞ditが現在形のときは時制は変わらないので、現在形のままqu'il est fatiguéになります。
Il a dit : "Je suis fatigué." を間接話法にすると?
伝達動詞が過去形a ditのときは時制が1段階ずれ、現在形→半過去になるのでqu'il était fatiguéになります。
Il a dit : "J'ai fini." を間接話法にすると?
伝達動詞が過去形のときは複合過去→大過去にずれるので、qu'il avait finiになります。
{correct} / {total} 問正解
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