第1課 / 32課 A1
あいさつと発音の基本
あいさつと発音の基本
この課でできるようになること: フランス語のアクサン記号の種類がわかり、あいさつの決まり文句が言えるようになる。語末の子音を読むか読まないかのルールと、単語同士がつながって聞こえる「リエゾン」の仕組みも身につく。あわせて、初対面のあいさつのやり取りが一通りできるようになる。
まず日本語で考える
日本語のローマ字は「書いてあるとおりに読む」のが基本ですね。フランス語も文字の読み方にはちゃんとしたルールがありますが、英語よりずっと規則的です。ただし3つ、日本語にはない仕組みがあります。①母音字の上に付く「アクサン記号」が読み方を変えること、②単語の最後の子音の多くは「読まない」こと、③単語同士がつながって発音が変わる「リエゾン」です。この3つを最初に押さえれば、あとの課がぐっと読みやすくなります。
ルール
① アクサン記号は5種類。
- アクサン・テギュ(´): é だけに付く。口をあまり開けずに出す「エ」。
- アクサン・グラーヴ(`): è, à, ù に付く。è は口を大きく開けて出す「エ」(é より開いた音)。à・ù は a・u と発音は同じで、意味を区別するための印(例: a=持っている〈avoirの3人称単数〉/ à=〜に)。
- アクサン・シルコンフレックス(^): â, ê, î, ô, û に付く。基本は下にアクサンがない文字と同じ音(ê だけは è と同じ開いた「エ」)。
- トレマ(¨): ë, ï, ü に付く。直前の母音と別々に発音する印(例: Noël=ノエル、2つの母音を離して読む)。
- セディーユ(¸): ç だけに付く。c は本来 a, o, u の前では「カ・コ・ク」と読むが、ç にすると a, o, u の前でも「サ・ソ・ス」と読む(例: ça=サ)。
② 語末の子音は多くが「読まない」。特に d, s, t, x, z と語末の e は無音になるのが基本。
③ ただし例外として、c, r, f, l で終わる単語は、その子音を読むことが多い(頭文字を取って「CaReFuL(気をつけて)」と覚える)。
④ リエゾン: 本来読まない語末の子音が、次の単語が母音(または無音の h)で始まるときだけ、つながって発音される現象。s は「ズ」の音になることが多い。
例文
- Bonjour !(ボンジュール)— こんにちは/おはようございます(日中のあいさつ)
- Bonsoir.(ボンソワール)— こんばんは
- Bonne nuit.(ボンヌ・ニュイ)— おやすみなさい
- Salut !(サリュ)— やあ/またね(親しい相手へのくだけたあいさつ)
- Au revoir.(オルヴォワール)— さようなら
- À bientôt.(ア・ビヤント)— また近いうちに(次に会う約束のあいさつ)
- Merci.(メルシー)— ありがとう
- Merci beaucoup.(メルシー・ボク)— どうもありがとう(beaucoup の語末 p は読まない)
- De rien.(ドゥ・リヤン)— どういたしまして
- S'il vous plaît.(スィル・ヴ・プレ)— お願いします(丁寧に頼むときの決まり文句)
- Pardon.(パルドン)— すみません/ごめんなさい
- Comment ça va ?(コマン・サ・ヴァ)— 元気?調子はどう?
- Ça va bien, merci.(サ・ヴァ・ビヤン、メルシー)— 元気です、ありがとう
- Enchanté.(アンシャンテ)— はじめまして(男性が言う場合。女性は Enchantée)
読み方の例(語末の子音とリエゾン)
- Paris(パリ)— 語末の s は読まない
- petit(プティ)— 語末の t は読まない
- sac(サック)— 語末の c は読む(CaReFuL)
- bonjour(ボンジュール)— 語末の r は読む(CaReFuL)
- les amis(レザミ)— les の s が次の母音 amis とつながって「ズ」の音になる(リエゾン)
- un ami(アンナミ)— un の n がリエゾンで聞こえる
ここがポイント
- 5つのアクサン記号はそれぞれ役割が違う。é と è・ê は音そのものが変わるが、à・ù・ç などは音を区別するための「印」であることが多い。
- 「語末の子音は読まない」がまず基本ルール。そのうえで c, r, f, l の4文字だけ例外的に読むと覚える。
- リエゾンは「本来読まない子音」+「次が母音」のときだけ起きる。すべての単語のつながりで起きるわけではない。
よくある間違い
- × Paris の s を読んでしまう → ○ Paris(パリ)。s は語末では読まない基本ルールの単語。
- × bonjour の r を読み忘れる → ○ bonjour(ボンジュール)。r は CaReFuL の例外で読む。
- × les amis を「レ・アミ」と切って読む → ○ les amis(レザミ)。s が次の母音とつながってリエゾンする。
- × beaucoup の p を読んでしまう(メルシー・ボークプ) → ○ beaucoup(ボク)。p は CaReFuL に含まれないので語末では読まない。
ミニ会話(初対面のあいさつ)
場面: 空港の到着ロビーで、日本から来た Aya(アヤ)がフランス人の Marc(マルク)に会う。
- Marc : Bonjour ! Je m'appelle Marc.(ボンジュール!ジュ・マペル・マルク)— こんにちは!僕はマルクといいます。
- Aya : Bonjour, Marc. Je m'appelle Aya. Enchantée.(ボンジュール、マルク。ジュ・マペル・アヤ。アンシャンテ)— こんにちは、マルクさん。アヤです。はじめまして。
- Marc : Enchanté ! Comment ça va ?(アンシャンテ!コマン・サ・ヴァ)— はじめまして!元気?
- Aya : Ça va bien, merci. Et toi ?(サ・ヴァ・ビヤン、メルシー。エ・トワ)— 元気です、ありがとう。あなたは?
- Marc : Ça va très bien. À bientôt !(サ・ヴァ・トレ・ビヤン。ア・ビヤント)— とても元気だよ。またね!
- Aya : Au revoir !(オルヴォワール)— さようなら!
(「Je m'appelle 〜」=「私は〜といいます」の決まり文句。m'appelle の作りは代名動詞の課で詳しく学ぶ。)
3行まとめ
- アクサン記号は é/è・ê で音が変わり、à/ù/ç などは意味の区別や読み方のルール変更のための印。
- 語末の子音は基本読まないが、c, r, f, l(CaReFuL)は読むことが多い。
- 本来読まない語末の子音は、次が母音のときだけ「リエゾン」でつながって聞こえる。
この課を3問だけ
é のアクサン記号の名前は?
é に付くのはアクサン・テギュ(´)。口をあまり開けずに出す「エ」の音です。
è のアクサン記号の名前は?
è に付くのはアクサン・グラーヴ(`)。é より口を大きく開けて出す「エ」の音です。
ç に付く記号の名前は?
ç に付くのはセディーユ(¸)。a, o, u の前でも c を「サ・ソ・ス」と読ませるための記号です(例: ça=サ)。
{correct} / {total} 問正解
この課の残り9問と復習機能はアプリで
App Store で近日公開
App Store で近日公開