第3課 / 32課 A1
名詞の性と冠詞(le/la/l'/les・un/une/des)
名詞の性と冠詞(le/la/l'/les・un/une/des)
この課でできるようになること: フランス語の名詞にある「男性名詞・女性名詞」の区別と、それに合わせて変わる冠詞(le/la/l'/les、un/une/des)を正しく使えるようになる。あわせて、「この〜」を表す指示形容詞(ce/cet/cette/ces)と、「〜がある/いる」を表す il y a も使えるようになる。
まず日本語で考える
日本語の名詞に「性」はありませんが、フランス語の名詞は必ず男性名詞か女性名詞のどちらかに分類されます。人を表す名詞なら現実の性別と一致することが多いですが(le garçon=男の子、la fille=女の子)、ものを表す名詞の性は現実の性別と関係がありません(la table=テーブルは女性名詞、le livre=本は男性名詞)。理屈で決まるものではないので、名詞は冠詞とセットで覚えるのが鉄則です。
ルール
① 冠詞には大きく2種類。
- 定冠詞(「その〜」): 男性 le / 女性 la / 母音・無音hで始まる語(男女とも) l' / 複数 les
- 不定冠詞(「ある〜・1つの〜」): 男性 un / 女性 une / 複数 des
② 定冠詞のエリジオン: 名詞が母音、または無音の h(h muet)で始まるとき、le・la は l' になる(l'école, l'ami, l'homme)。
③ ただし例外がある。h aspiré(有音のh) と呼ばれる一部の h で始まる語は、母音扱いされずエリジオンしない。代表例: héros(英雄), hibou(フクロウ), haricot(インゲン豆), hasard(偶然), haut(高い), hors(〜の外), huit(8), honte(恥), hockey(ホッケー)。→ le héros(エリジオンなし)。
④ 不定冠詞(un/une)は名詞が母音で始まっても縮まらない。そのまま2語で書く(un homme, une école)。
例文
- le livre(ル・リーヴル)— その本(男性名詞)
- la table(ラ・ターブル)— そのテーブル(女性名詞)
- l'école(レコル)— その学校(女性名詞・母音始まりでエリジオン)
- l'ami(ラミ)— その男友達(男性名詞・母音始まりでエリジオン)
- l'homme(ロム)— その男性(男性名詞・h muet)
- la femme(ラ・ファム)— その女性(女性名詞)
- le héros(ル・エロ)— その英雄(h aspiré・エリジオンしない)
- un stylo(アン・スティロ)— 1本のペン
- une voiture(ユヌ・ヴォワテュール)— 1台の車
- des amis(デザミ)— 複数の友達(リエゾンで「デザミ」)
- de l'eau(ドゥ・ロー)— いくらかの水(部分冠詞。数えられない量を表す)
- les tables(レ・ターブル)— それらのテーブル(複数の定冠詞)
- des chaises(デ・シェーズ)— いくつかの椅子(複数の不定冠詞)
ここがポイント
- 「名詞の性」は理屈で予想できないものが多いので、新しい単語は冠詞ごとセットで覚えるのが一番の近道(la table であって table 単独では覚えない)。
- l' になるのは「母音」または「h muet(無音のh)」のとき。h aspiré の単語(héros など)は例外でエリジオンしない。
- 不定冠詞 un/une は名詞の始まりの音に関係なく形が変わらない(un homme はそのまま2語)。
補強:指示形容詞(ce/cet/cette/ces)— 「この〜/その〜」の言い方
英語の this/that、these/those にあたる語。定冠詞(le/la/l'/les)と同じ発想で、名詞の性・数・始まりの音で形が変わる。
| 名詞の性・数・始まりの音 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 男性単数(子音で始まる) | ce | ce livre |
| 男性単数(母音・無音hで始まる) | cet | cet ami |
| 女性単数(どちらでも) | cette | cette table |
| 複数(男女とも) | ces | ces livres |
cet は l' や mon と同じ理由(発音のしやすさ)で、母音始まりの男性単数名詞の前だけ使う。女性名詞には母音始まりでも cette を使う点に注意。
例文:
- Ce livre est intéressant.(ス・リーヴル・エ・タンテレサン)— この本は面白いです
- Cet homme est grand.(セ・トム・エ・グラン)— この男性は背が高いです(母音始まりで cet)
- Cette table est petite.(セット・ターブル・エ・プティット)— このテーブルは小さいです
- Ces amis sont sympas.(セザミ・ソン・サンパ)— これらの友達は感じがいいです
補強:il y a — 「〜がある/いる」
il y a + 名詞で「〜がある/いる」を表す。主語は常に il(訳さない)で、名詞が単数でも複数でも形は変わらない。否定は il n'y a pas de(d') + 名詞(不定冠詞 un/une/des は否定文で de に変わる。avoirの否定と同じ考え方)。
例文:
- Il y a un chat dans le jardin.(イリヤ・アン・シャ・ダン・ル・ジャルダン)— 庭に猫が1匹います
- Il y a des livres sur la table.(イリヤ・デ・リーヴル・スュール・ラ・ターブル)— テーブルの上に本があります
- Il n'y a pas de pain.(イル・ニ・ヤ・パ・ドゥ・パン)— パンがありません
- Est-ce qu'il y a une pharmacie ici ?(エスキリヤ・ユヌ・ファルマシー・イスィ)— ここに薬局はありますか
よくある間違い
- × le école → ○ l'école(母音で始まる女性名詞は la ではなく l')
- × l'héros → ○ le héros(héros は h aspiré。エリジオンしない例外)
- × l'homme を「男性名詞だからエリジオンする」と思ってしまう(理由は男性名詞だからではなく、h muet=母音扱いだから)。女性名詞の l'école も同じ理由でエリジオンする。
- × cet table(女性名詞に cet を使ってしまう)→ ○ cette table(cet は母音始まりの男性単数名詞だけ)
- × Il n'y a pas de un chat.(否定の後に un を残してしまう)→ ○ Il n'y a pas de chat.(否定文では un/une/des を de に変え、その後ろに un/une/des を残さない)
ミニ会話(新しいアパルトマンを見せる)
場面: Sophie(ソフィー)が新しいアパルトマンを Nina に見せている。
- Sophie : Voici mon appartement. Il y a une chambre et une cuisine.(ヴォワシ・モナパルトマン。イリヤ・ユヌ・シャンブル・エ・ユヌ・キュイジーヌ)— これが私のアパルトマンだよ。寝室とキッチンが1つずつあるの。
- Nina : Cette chambre est jolie !(セット・シャンブル・エ・ジョリ)— この寝室、かわいいね!
- Sophie : Merci ! Et regarde, il y a un balcon.(メルシー!エ・ルガルド、イリヤ・アン・バルコン)— ありがとう!それに見て、バルコニーもあるの。
- Nina : Il n'y a pas de garage ?(イル・ニ・ヤ・パ・ドゥ・ギャラージュ)— ガレージはないの?
- Sophie : Non, il n'y a pas de garage ici.(ノン、イル・ニ・ヤ・パ・ドゥ・ギャラージュ・イスィ)— うん、ここにはガレージはないよ。
3行まとめ
- 名詞は必ず男性名詞・女性名詞のどちらか。冠詞(le/la/un/une)とセットで覚える。母音・h muet で始まる名詞の定冠詞は l' になる(h aspiré は例外)。
- 指示形容詞は ce(男性単数・子音)/ cet(男性単数・母音)/ cette(女性単数)/ ces(複数)の4パターン。
- il y a(〜がある/いる)は主語 il が常に単数形。否定は il n'y a pas de + 名詞。
この課を3問だけ
「その本」を正しく選んでください。
livre(本)は男性名詞で子音で始まるので、定冠詞は le のままです。
「その学校」を正しく選んでください。
école(学校)は女性名詞ですが母音で始まるため、la ではなく l' にエリジオンします。
「1台の車」を正しく選んでください。
voiture(車)は女性名詞なので、不定冠詞は une です。
{correct} / {total} 問正解
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