アルファベットと発音(1文字=1音)
この課でできるようになること: トルコ語の29文字をローマ字感覚で読めるようになる。特に日本語にない文字(ı, ğ, ö, ü など)の音がわかる。単語を見ただけで、辞書やアプリを使わずに声に出して読めるようになる。
まず日本語で考える
日本語のローマ字は「書いてあるとおりに読む」のが基本ですね(ka=か、mi=み)。トルコ語もこれと同じで、1文字=1音がほぼ徹底しています。英語では同じ a でも単語ごとに読み方が変わりますが、トルコ語にはそれがありません。文字さえ覚えれば、初めて見る単語でも声に出して読めます。逆に、英語の知識に引っ張られて c や j をローマ字読みすると、トルコ語ではまったく違う音になるので注意しましょう。
ルール
文字は全部で29文字。英語のアルファベットとの違いは次のとおりです。
①英語にあってトルコ語にない文字: q, w, x(外来のブランド名などにまれに出てくる程度)
②トルコ語だけにある文字: ç, ğ, ı, ö, ş, ü(この6文字が最初のハードル)
③特に注意する文字:
- ı と i は別の文字。ı(点なし)は舌を奥に引いて出す、「ウ」と「イ」の中間のようなこもった音。i(点あり)は日本語の「イ」に近い音。sınıf(教室)と sinif は全くの別物(sinif は誤記)。
- 大文字も区別: i の大文字は İ(点あり)、ı の大文字は I(点なし)。İstanbul を全部大文字にすると、英語では ISTANBUL ですが、トルコ語では İSTANBUL が正しい形です。
- ğ(ユムシャク・ゲー): それ自体は発音せず、前の母音を伸ばしたり、次の母音へなめらかにつなぐ働き。例: dağ(山)は「ダー」に近い音。単語の先頭には絶対に来ません。
- ş=「シュ」の子音、ç=「チュ」の子音、c=英語の j(jam の j)の音、j=フランス語の j の音(外来語などまれ)。
- ö / ü: 唇を丸めて出す音。口を丸くすぼめたまま「エ」と言うと ö、「イ」と言うと ü に近くなります。日本語にない音なので、この「唇の丸め」を意識して練習しましょう。
④アクセント(強く読む場所): 基本は単語の最後の音節。merhaba(こんにちは)なら「メルハバ」。
地名や外来語には例外が多く(Ankara は最初、taksi は最初の音節)。こうした単語は聞こえたとおりに覚えましょう。
活用パターン表
トルコ語だけの文字と、まぎらわしいペアを一覧にしました。
| 文字 | 音の目安 | ポイント | 例 |
|---|
| ı | 「ウ」と「イ」の中間・こもった音 | i(点あり)と別字 | kız(女の子) |
| i | 日本語の「イ」 | ı と混同しない | iyi(良い) |
| İ / I | 大文字も点の有無で別字 | İstanbul は İ | İzmir |
| ö | 唇を丸めて「エ」 | o とは別字 | göz(目) |
| ü | 唇を丸めて「イ」 | u とは別字 | üç(3) |
| ğ | 発音せず前の母音を伸ばす | 語頭に来ない | dağ(山) |
| ş | 「シュ」の子音 | s(サ行)と別字 | şeker(砂糖) |
| ç | 「チュ」の子音 | c と混同しない | çay(お茶) |
| c | 英語の j(ジャ行寄り) | ローマ字の c と違う | cam(ガラス) |
例文
- ev(家)=「エヴ」
- araba(車)=「アラバ」
- göz(目)=「ギョズ」に近い音
- şehir(街)=「シェヒル」
- çay(お茶)=「チャイ」
- üç(3)=「ユチュ」に近い音
- sınıf(教室)= ı はこもった音。「スヌフ」に近い響き
- gün(日)=「ギュン」に近い音。ü は唇を丸める
- kız(女の子)=「クズ」に近い音。ı はこもった音
- yağmur(雨)=「ヤームル」に近い音。ğ は発音せず母音を伸ばす
- öğretmen(先生)=「ウーレトメン」に近い音。ö と ğ が連続する語
- güneş(太陽)=「ギュネシュ」に近い音
- Türkiye(トルコ)=「テュルキイェ」に近い音。ü に注意
- peynir(チーズ)=「ペイニル」。ey は「エイ」と読む
- kitap(本)=「キタプ」
ミニ会話
特殊な文字が多い自己紹介の場面です。
※会話には後の課で学ぶ形も出てきます。今は意味がつかめればOKです。
- A: Merhaba! Adın ne?(こんにちは!名前は?)
- B: Adım Özge. Senin adın ne?(私の名前はウズゲ。あなたの名前は?)
- A: Benim adım Çağla. Nerelisin?(私の名前はチャーラ。出身はどこ?)
- B: Ben İzmirliyim. Memnun oldum!(私はイズミル出身です。会えて嬉しいです!)
Özge の ö、Çağla の ç と ğ、İzmirliyim の İ が発音のポイントです。
つまずきポイント
- × sinif → ○ sınıf : 点のあるなしを「飾り」と思って混同する間違い。ı と i は完全に別の文字。
- × ğ をガ行で読む → ○ ğ は発音せず、前の母音を伸ばす(dağ=「ダー」)。
- × c を英語の c(ク/ス)で読む → ○ c は英語の j の音。
- × ş を s(サ行)と同じ音だと思う → ○ ş は「シュ」を表す別の1文字。s とは無関係。
- × Istanbul と書いてしまう → ○ 大文字の i は İ。I(点なし)は ı の大文字なので、Istanbul は別の単語に見えてしまう。
3行まとめ
- トルコ語は29文字・1文字=1音。ローマ字感覚でそのまま読める。
- ı(点なし)と i(点あり)は別の文字。大文字は I と İ で、これも区別する。
- ğ は前の母音を伸ばす文字、c は英語の j の音。ö / ü は唇を丸めて出す。
次の課からは、この母音の違いが単語の後ろに付くパーツ(接尾辞)の形を決める「母音そろえルール」を学びます。